星をみる。
さみしいときには、星をみる。
ある、さみしい気分の、夜、ベランダにでて、タバコを吸ってみた。
南東の天空近くに、たったひとつ、光り輝く星が、目に入った。
私は、その星から、目が離せなくなった。
とても、強く光る星だ。
さみしい気持ちが、消えていき、あたたかい感情が心に沁みわたってきた。
ひとりだからこそ、凛として生きていきたい。
そんな、気持ちにさせてくれる、星の輝き。
さあ、がんばろう。
生きる勇気がわいてきた。
私は、その星が、大好きになってしまった。
最近は、毎日、6時半ごろ、その星と逢いに行く。
ダウンコートを着て、タバコを持って、ベランダに出るのが、楽しみだ。
今日あった出来事を背負ってベランダに出て、
大好きな星に、全部渡して、帰ってくる。
大事な時間。
星は、いつも輝いていて、私をみていてくれる。
人がみな、家族と宴を囲む時間帯に、
たったひとりで、たった一つの星と、対面している自分が、いとおしく感じられる。
一人だからこそ、こんな贅沢な時間が持てる。
支えてくれる人が、あたたかい仲間が、親しい友達が、離れて生きていてくれる家族が、いてくれる。
そんな、幸せの中の、孤独なひと時を、楽しめるようになった。
私は、あの星のことが、本当に大好きだ。
私の、大切な、光り輝く、たった一つの星。
今夜も、ありがとう。