ゆりりんこの病活日記

心の病気と乳がんと乾癬 振り返りつつ心地よく生きる

傘寿の会。その2.


今日は、この先生が、どれだけすぐれた先生であったかを再確認したことについて、お話したいと思います。

私は、小学生の時に、この先生のことが大好きで、先生の姿を見ると、教壇に、全速力で走っていって「せんせーい」といいながら胸をバンバンたたくことを繰り返していました。

そのたびに先生は、「痛いやないか!」とおっしゃってました。

あまりにも、毎日繰り返しやってましたら、ある日先生は本気で私を叱りました。

「あのな、ゆりりんこ。おまえが先生を好きで叩いとるのはわかるけど、ほんとに痛いんだぞ!こういうことはやめなさい!」

私は、先生が急に大人に見えて、怖くなってしまったほどの衝撃を受けて、二度と先生の胸をたたきませんでした。

そのことを先生にお話しすると、「そんなことあったかな?お前はとても激しい一面を持った子やったからな」と懐かしそうでした。



私は、その後の人生で、自分の激しい性格の一面が出て、失敗してしまうたびに、先生に怒られたことを思い出し、「私って本当に困った人間だわ」と反省してきました。

その自分でも手に余る私の欠点は、先生の中では、記憶にうすいものであったことには、正直驚きました。大目玉を食らった記憶しかなかったものですから。

それと。

出席できなかった、TK子ちゃんと電話がつながった時、私は一番に
「あの時、お弁当のバナナを取って食べて泣かせてごめんね!」と半ば笑いながら言いました。TK子ちゃんは、誰?何のこと?とこれも記憶に無いようでした。

私にはとてもふざけた一面があり、これもその後の人生で、何度も何度も反省することしきりとなった欠点だと思っていました。

私はそのたびに、ふざけて、TK子ちゃんが最後のお楽しみにとっておいたバナナを食べちゃった当時の自分のことを思い出しては「この欠点はどうにかならないものか」と苦しんでいました。

ところが、先生は「おまえはよーそんなことしいよったもんな~」と笑顔で懐かしそうだったのです。
そして「TK子ちゃんは、ほんまに、なきみそやったな~~」と笑っていたのです。

もう一つ、GK君に
「私、GK 君の家で遊んでた時、GK君のお兄さんにも遊んでほしくって、お兄さんの読んでた本か、眼鏡をふんじゃったのよね。お兄さんそりゃ―もう怒って怖かったわ~~」というと
「家の兄は、まじめで気難しいところがあったから、そんなことしたら怒るに決まってるよ!よくあの兄にそんなことしたね~~あはは」

先生は笑って「ほんまにおまえはそんなことをよーしいよったな~~あはは」

と、私のおちゃらけた一面のことを、それはもう懐かしそうに思い出してくれているのでした。

私は正直驚きました。

その後の人生の中で、私を苦しめてきた、私の、激しい一面と、おちゃらけた一面を先生は、私の個性と受け止められておられるようで、むしろ懐かしくさえ思ってくれていたのです。

私も、この私の二つの欠点を、なおそうと気を付けて生活したことは何度もありました。でも、その欠点を出さないようにしていると、いい面が発揮できないという壁にぶつかっては、たおれ、ぶつかっては、たおれの人生でした。

私は40何年ぶりに再会した先生に教えられた気がしました。

それはお前の個性だから大事にしなさいと。

とてもうれしい出来事でした。

この年になって、自分の個性を、卑下することはないのだな!と教えられました。本当にありがたいことです。

先生は、本当に私にとって、人生の師匠です。

これからも、舎弟でいさせてください。

私より長生きするぐらい長生きして、まだまだいろんなことを教えてください。

今後ともよろしくお願いします。という思いでいっぱいの私なのでした。