木の芽時がやってきた。
心の病気を病んでいると、この季節は本当につらい。
体調を崩すのです。
先日も、何気に歩いていたら足がどうしても前に進んで行かなくなってしまいました。
ああ、鬱が来た。
こんなに気を付けて暮らしているのに、鬱は突然やってくるのです。
もう、31年間、こんな感じで暮らしています。
いい加減どうにかならないものか?
過去の記録をひもといてみました。
13年前の、ゆりりんこも、やはりこの時期の鬱に悩んでいます。
それをどうにかおさめつつ暮らしているのです。
13年前のゆりりんんこを、見てやってください。
「早春のコンサート」
皆様は、心の病気と付き合っていくのに、ほとほと疲れ果ててしまうことはありませんか?私はあります。しっかりあります。
その上、自分の生まれながらの性格にも、付き合っていくのにほとほと疲れてしまうこともあります。悪いところを矯正しようとすると、いいところまで発揮できなくて、自分の無能さに、がっくりしてしまうのです。
20年前から付き合ってきた心の病気は、このような時必要以上に必要以上に私の心を責めてきます。本当に、心の病気には、もううんざりって気持ちになりますよね。
そういう状態のこの春の初めに、若いころよく聞いていたジャズの大御所、穐吉敏子とルータバキンのカルテットが、三重県文化会館にやってきた。私はいそいそと出かけて行きました。
穐吉敏子のピアノは素晴らしかった。
自分の心と身体が自然にスイングしていく。
世の中には、悲惨なことも、陰惨なこともたくさんあるけれど、生きていくって、割とイケてることよね。という人生の楽しみが、心から心へとダイレクトに伝わってくる。
楽器の音は、時として、言葉を超えた深い気持ちを聞いているものに伝えてくれる。
私の心は、穐吉敏子のピアノの音から、生きる楽しみと勇気をもらいました。
言葉にするとこんな感じだが、コンサートが終わって帰宅中「また明日から頑張るぞー!」という気持ちになっていました。
穐吉敏子の60周年記念のニューアルバムのタイトルは「ホープ」だった。85歳になって発信する希望!!素晴らしい。そんなおばあさんは、とにかくカッコイイのです。近くでよくよく見てみると山姥(ヤマンバ)みたいな人だったが、彼女はカッコイイ山姥でした。私もあんな老女になりたい。私も彼女から希望=ホープをもらいました。
しかし、その後の私の心の状態は、よくなったり悪くなったり、木の芽時とは、まさに、このことだなあ。という感じに不安定でした。
そうこうしているうちに、3月25日の遊心のミニコンサートがありました。
針谷先生に「寝て聞いてもいいですか?」と聞いてみたら「眠れる曲を弾きます」
とのこと。
近藤先生の「上を向いてあるっこう」を寝ながら涙して聞きました。
その足で、名古屋能楽堂のゴンチチのコンサートに出向きました。ゴンチチは以前から気になっていたギターデュオでしたが、聞いて、ほっこり♡癒されまくってしまいました。
「そうがんばらないで、春のこの気持ちよさをゆったり受け止めようよ」
春ののんびりとしたムード、ギターの音色とともに心の中が桜色でいっぱいになっていました。
コンサートが終わった後、電車に揺られながら、心も体も楽にして粛々と生きていこう。という気持ちになっていました。
私の早春は、三つのコンサートを体験しつつ、平常心に戻っていっているのだと思いたいのです。
ちなみに、ゴンチチのニューアルバムのタイトルは「我流一筋」でした。
(遊心だより 平成18年 4月号より)