ゆりりんこの病活日記

心の病気と乳がんと乾癬 振り返りつつ心地よく生きる

ヨガの先生と私。減薬。

f:id:yuririnnko:20190413194712j:plain


私は、昨年夏、普通の道を普通に歩いていてこけて足首を骨折しました。

 

全治6か月でした。車いす生活を余儀なくされました。

毎日お部屋で過ごしていました。とても不自由で孤独でした。

デイケアにも通うことができませんでした。

 

ある日、お部屋でなすすべもなくごろごろしていましたら、ドアチャイムが鳴りました。

車いすに乗って、ドアを開けると、ヨガの先生が立ってみえました。

 

「わ~~!先生!驚きました!」

 

「驚かせるかとは思ったんですけど」

 

お花をくださいました。

 

「あの時とてもうれしかったから」

 

「ああ~~、ありがとうございます」

 

そして、先生はひざまずき、私のギブスした足をさすってくれました。

 

「痛々しいですね~~~」

 

「先生ありがとう」

 

私は涙がこぼれそうになりました。とてもうれしかったのです。

 

先生は、ほどなく帰られました。

とても心のこもった、お見舞いでした。

 

先生のくださった花束には、かわいいひまわりが入ってました。

 

私は、先生の優しさをかみしめました。

 

 

実は、もうずいぶん前のある日、先生からメールが来たことがあったのです。

 

遠方の旧友が急逝したので、葬儀に参列するためレッスンをお休みさせてください。

との内容でした。

 

私はすぐ先生にメールしました。

 

了解しました。先生深呼吸して。深く吐いて深く吸って。

今の先生に必要なのは、メシ、フロ、ネル。

他のことは、周りの方にお願いして、気を付けていってらっしゃい。

返信不用。

 

それから私は先生のことが、心配でした。

 

その時私は、減薬中でした。結局減薬は不成功に終わったのですが、減薬中私は、病気になる前の自分と性格と、病気になってからの自分の性格のはざまで揺れ動いていました。

とにかく、30年ほど前から、ずっと心の病気のお薬を飲んでいますので、それを減らした途端に、とても懐かしい病前の性格が帰ってきている状態でした。

私は病前は、いつも仲間に囲まれて暮らしており、人なっこくて、とてもフレンドリーな性格でした。

 

たぶん、人を思いやる気持ちも普通の人より強かったのだと思います。

 

病気になってから、人を思いやるあまり、自分がつぶれるという経験を何度かして、いつしか、孤独を選んで生活するようになりました。

 

長い話になりますので、減薬と減薬の不成功に関しては、またの機会にお話ししたいと思いますが。

 

ヨガの先生が、突然の御不幸に見舞われたその時、私は、病前の性格の自分でした。

 

先生のことが心配でした。

普通に生活していても、「先生は泣いて見えないかな?」とか、気になるのです。

 

そんな時、スーパーで買い物していたら、ふとひまわりの花が目に飛び込んできました。

よくよく見ると、お花売り場に、とても生き生きしたひまわりの花が入った花束が並んでいたのです。

 

「これだ!」と思いました。

私は、そのひまわりのはいった花束を買って、チャリで先生のおうちを目指し飛ばしました。

 

そして、先生に手渡しました。

 

「スーパーで見つけました。先生が少しでもお元気になられるかと思って」

 

その時の、先生のうれしそうな雰囲気を今でも忘れることができません。

 

そして先生は

「ありがとうございます。やはりあの時、うまく深呼吸ができませんでした」

 

とおっしゃいました。

 

私はちょっと笑顔で会釈し、チャリに飛び乗り帰宅しました。

 

あのひまわりをみて、元気をもらわない人はいない。私の確信でした。

 

まさに病前の自分がさせた行動でした。

 

さて、自分が車いす生活で、先生のお見舞いを受けたときは、私はもう減薬不成功して、ずいぶん時がたってました。

 

病前の自分であれば、普通に道を歩いていて、普通にこけて、全治6か月の骨折をすることさえ考えられないことなのです。

 

それが心の病気を得て、お薬を飲み、ちょっとした不注意で大けがをしてしまう今の自分です。もちろん落ち込んでました。

 

だけど、ヨガの先生が下さった、かわいいひまわりのはいったお花を見るたび、心が癒されました。

車いすに乗って、幸せを感じていました。

 

先生のことが、以前にもまして、とても大切な存在になりました。

 

先生の個人的なことに踏み込む内容ですので、ブログとしてアップするのはためらいましたが、とても大切な思い出ですので、記録として残します。

 

先生ごめんなさい。そしていつもありがとう。