ゆりりんこの病活日記

心の病気と乳がんと乾癬 振り返りつつ心地よく生きる

デイケアのお花見に行ってきました。

25日は、デイケアのお花見の日でした。もちろん参加してきました。

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お城公園に行きました。

まだ、ちらほらとしか桜は咲いていませんでした。

 

さて、デイケアの花見の日ですが、毎年すごく寒いのです。

去年も、いざ出かける前にものすごく外が寒いことに気づいた私は、お昼寝用のマイブランケットを持参しました。

物凄く寒かったので、ブランケットを体に巻き付けて寒さをしのぎました。

他のメンバーさんたちに、「エスキモーか?」「インドのサリーか?」などと笑われました。

 

そこで今年は、いつものスプリングコートでデイケアに出かけはしましたが、カバンの中に真冬用のダウンコートを小さく折りたたんで、バンダナで包んで入れていきました。

 

デイケアについてからも、何回も外の気温を調べに行きました。

やはり今年も寒いです。

出発が近づくと、看護婦さんが、ダウンコートを羽織って登場しました。

他のメンバーさんもダウンジャケットを羽織りました。

私も、カバンから、ダウンコートを取りだして、羽織ることにしました。

 

出発の時間です。

先生と同じ車になりました。

先生はご機嫌さんです。

車の中でも楽しそうにお話されました。

 

先生は、ブラウンの冬のスーツ。カシミアの黒いコート、ボルサリーノの中折れ帽。

おしゃれすぎてみえないところは、さすが貫禄です。

 

車の中は暑いほどです。

 

さて、お城公園につきました。

よかった!やっぱり外は寒いです。ダウンコートを着てきてよかったです。

花冷えというのですね。

 

お弁当をいただきました。

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みんなで、外でいただくお弁当は、本当においしいです。

これが楽しみで来ているようなものです。

 

みんなは、ブルーシートの上やベンチの上でお弁当を広げています。

私はその後ろの、平べったい石に座ってお弁当を食べていました。

毎年この石の上で、お弁当を広げています。

もっと離れたところで、一人お弁当を広げている青年もいます。

デイケア遊心の、この自由な雰囲気が、私はとても気に入っています。

 

さて、お弁当を食べながら。

私は面白いことを思いつきました。

「これは、お花見だぞ!宴会だぞ!歌でも歌わないか?楽しもうよ!」

そしてPSWさんに

「尾鷲節歌っていい?」と聞きました。

「どうぞどうぞ」(笑)

 

私は、前に出ていって、尾鷲節を歌いました(笑)短めにしときました(笑)

半分ぐらいのメンバーさんが、笑顔で手拍子してくれました。

楽しくなってきました。

「ありがと~~」と声がかかりました。うれしいです。

 

そのあと、スタッフ手作りの花見団子が配られました。

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おいしいです。さらに私は、気をよくしました。

東京音頭歌っていいですか?」

「どうぞどうぞ」(笑)

 

前に出ていって、身振り手振りを交え、東京音頭を歌い踊りました(笑)

「もっと歌って~~~~っ」

「盛り上がってきました~~~~っ」

嬉しかったです。

 

心の病気を病んでいるのに、なんでそんなのんきなの?と思われるかもしれませんが。

私は、元来、お祭り好きで、おちゃらけた一面を持っているのです。

 

一年ほど前、小学6年生の時の担任の先生に、50年ぶりぐらいに再会しました。

 

小学校の卒業式で、みんなお別れが悲しくて泣きだした時に、私が突然、踊りながら教壇に飛び出して、みんなを笑わせて、凄い子やなと思った。と教えてくださいました。

「多分、この子は、芸能関係に進むのだろうなと思ってた」とは、その先生の言葉です。

 

「おまえもいろいろあったんやな~~。いまもがんばっとんのやな。偉い偉い」

 

そんな私が、鬱になってしまう。心の病気は恐ろしいです。

 

昨年6月に、仕事を辞めてから、デイケアの仲間との交流が楽しみになってきている私です。デイケアでも笑顔をを心がけています。できない日もありますが、お花見の今日、みんなにサービスできた自分がうれしかったです。

 

八年間、介護助手のお仕事をさせていただいていました。仕事は昼から4時間でしたので、デイケアでお昼を食べてから、仕事に行っていました。毎日、「今日は、仕事に行けるかな?」自分の今日の精神状態を推し量ることで必死な午前中の私でした。

 

デイケアでの笑顔とか、ほかのメンバーとの交流などには、興味もありませんでした。そんな余裕は皆無でした。そんな私が、みんなとお花見を楽しんでいる。凄い変化です。やはり仕事を辞めたのは正解でした。そして、仕事を8年間頑張ったのも正解でした。

 

仕事を辞めてから、自分のために時間が使えるようになり、書き溜めてきた文章を、発表する場を探し、本にするということも考えましたが、縁あって、はてなブログさんと巡り合えることができました。進歩と言えるでしょう。

 

タバコをやめて、4か月目です。

 

色んなことが、いい方向に進み始めているのかもしれません。

感謝です。

 

さて、先生を先頭にしての散歩の時間です。毎年この散歩はサボらせていただき、喫煙所付近にいた私ですが、今年は先生の後ろから参加させていただきました。

 

ボルサリーノを頭に乗せた先生の後ろからついて歩くのは、久しぶりでした。

大学病院入院時に、白衣を着た先生と散歩したことが思い出されます。

 

今の私より若かった、当時の先生。とても姿勢がよく、背が高くてがっちりした体つきで、すごく頼もしかったのです。それに物知りで、色んなことを教えていただきながらの散歩は、入院中の最大の楽しみでした。

 

さて、お城公園を散歩していると、馬酔木の木に花が咲いていました。誰かがなんの花か質問しました。先生は、静かに「馬酔木(あせび)の花ですよ」とおっしゃいました。

 

私は「馬酔木の花を食べると、鹿が酔っぱらうから、鹿は馬酔木を食べないのよね。それで、奈良公園は馬酔木の木しかないんだよね、ほかの木は、鹿が全部食べちゃうんだよね」と何気なく言いました。

 

すると先生が、驚いたように振り返り「知りませんでした!」

 

「あれ?先生から聞いた話ではなかったのですか?」

 

「初めて聞きました!馬が酔うから、馬酔木と書くことしか知りませんでした!」

 

「先生から教えてもらった話だと思い込んでいました~~」

 

先生と目を合わせてくすっと笑いました。

 

体格が一回り小さくなられ、歩幅も小さくなられ、手すりに手を添えて階段を上がる先生。こんな風に、知らない間に追い越してしまうようなことがあろうかとは、思ってもみませんでした。

 

いつまでも、その大きな背中の後を追って、安心して、色んなことを教えていただけると思っていた私です。

 

あと何回、あと何十回、先生とお花見にこれるでしょうか?

 

当たり前に受け取っていた恩恵が、さらにありがたく思えて来た今日の私でした。

 

先生が、前を歩いてくださっているうちに、すこしでも自立して、もっと心の病気を安定させるように気をくばらなければ。

 

決意を新たにした、お花見の一日でした。